ディスレクシア児童のためのタイピング練習支援WEBアプリ

アプリについて

実験風景

本タイピング練習支援アプリは上の画像に示す画面を見ながら、打つべきキーの位置を覚えていくものです。入力するローマ字を色などのイメージしやすいものに置き換えることで、打つ指の運動を練習することができます。

平谷こども発達クリニックのICT支援室では、上の画像のようにPCのキーボードのそれぞれのキーに画面に対応する色のシールを貼って、アルファベットをあえて見せないようにして打ってもらっています。

従来のタイピングアプリは言語性ワーキングメモリに頼ったものが多く、 言語性ワーキングメモリが弱い発達性ディスレクシアの児童には効果があまり見られませんでした。 このタイピング練習支援アプリは視空間性ワーキングメモリに頼ったものであるため、タイピング技術の向上が期待できます。
以下がアプリのURLになります。

URLにアクセス頂き、ログインして頂くと次のような画面が表示されます。
初期画面

設定

ここの画面では、設定やコース選択が可能になっています。 画面上部の設定について簡単な説明をします。

表示モード:「あ行」以外の練習時に打つべきキーを「ま」「お」と描画するか「1」「2」と描画するか(お題が「も」)
ボイス:お題を読み上げるかどうか
打鍵音:打鍵音を鳴らすかどうか
キーボード表示:画面上のキーボードを表示するかどうか
お題の表示:お題を上部に描画するかどうか
正否音:正解の時にピンポンと鳴り、不正解の時にブザーがなるようにするか
結果音:結果音を鳴らすかどうか

表示モードは「文字」の方をお薦めしますが、お子様の様子を見て選んで頂ければと思います。

コース

下部のコースは「単音」と「単音(広範囲)」を選べます。 「単音」はそれぞれの行、「単音(広範囲)」は清音、濁音、半濁音などを選べるようになっています。

設定、選択後

設定をし、コースを選択すると次の画面へ移行します。(ここでは「ま行」を選択した場合)

ま行選択

スタート後

前の画面のスタートボタンを押すとタイピング画面へ移行します。

タイピング

ここでは例としてま行の練習について紹介します。

上の画面ではお題「も」を打つために、「ま行」の「お」のキーを順番に押すことを指示しています。「も」を「mo」とローマ字変換し、そのアルファベットのキーを探すのではなく「m」を「ま行」、「o」を「お」のキーとして覚え、キーボードと指に色を用いる、赤枠で囲むことで視空間性ワーキングメモリを有意に働かせ、打つ指の運動を練習します。そのため、まず色シール(色のついたシールは100均で売っているかと思います)をキーに貼って頂くことをお薦めしますが、シールを邪魔に思うお子様もいらっしゃるので、シールを貼るかどうかはお子様の様子を見てご判断下さい。

アプリの利用方法に関して疑問や問題が生じた場合は、どうぞお気軽に高橋(yasutake@ir.his.u-fukui.ac.jp)までご連絡ください。

補足:シールを貼ることについて

なぜシールを貼るのか分からないという指摘もあったため補足させて頂きます。 言語性ワーキングメモリが小さいために通常の文字を多用するタッチタイピング練習支援アプリでは練習が難しいため、視空間性ワーキングメモリを活用したタッチタイピング練習方法を提供すること、 文字があるとどうしても言語性ワーキングメモリを使おうとしてしまうので、わざとキーボードのキートップにシールを貼ることで文字情報を与えないようにしています。 参考までにICT支援室のキーボードの写真を載せておきます。

キーボードの写真

キーボードの写真